マルセル・ダイス アルザス コンプランタシオン 2022

皆さま、こんばんは。「ビオディナミな日常」の管理人、Kurinoです。
寒暖差の激しい日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか?
日中は暖かくても夕方からは冷えてくる今日この頃、まだまだ暖かいシチューが恋しいですね。今宵紹介するビオディナミワインはシチューやクリームソースと相性が良さそうな、フランスのアルザス地方の名門マルセル・ダイスのコンプランタシオンです。

フランスワインが好きな方なら1度はマルセル・ダイスの名前を聞いたことがあるかもしれません。私も名前だけは知っていましたが、ビオディナミワインの生産者だとはつい最近まで知りませんでした。マルセルダイスのワインは1万円前後の物が多い中、こちらは4,752円の入門編。とはいえ、とても素晴らしい1本でしたよ。

ソムリエさんがよく言う「テロワール」という単語。これは、一言でいうと「その土地らしさ」のこと。同じブドウ品種であっても、国や地域によって味わいが異なってきます。特にシャルドネという白ワイン用のブドウ品種が面白く、フランスのシャブリのシャルドネはミネラル感や酸味が強くてフレッシュな味わいなのに対して、アメリカのカリフォルニアはバターを連想するようなコクのある味わいに仕上がることが多いです。そういった土地の特徴をもとにソムリエさんはブラインドテイスティングで産地を推測するわけですが、この「その土地らしさ」がテロワールなのです。大昔のワインの造り手たちはその土地らしさをあまり意識していませんでしたが、フランスのアルザス地方でテロワールが意識し始められたのはマルセルダイスによる功績が大きいとのこと。そういうちょっとした予備知識がワインを一層美味しくさせてくれるものです。

このコンプランタシオンというワインは、なんとアルザスの13種類のブドウをブレンドしています。いくつかピックアップして紹介しますと、リースリング、ピノノワール、ピノ・グリ、ピノ・ブラン、ピノ・オーセロワ、ピノ・ブーロ、ゲヴェルツトラミネール、トラミネール、ミュスカ、などなど。何がどれぐらいの割合なのかは書かれていませんでしたが、個人的にはゲヴェルツトラミネールの持つライチ、マスカット、トロピカルフルーツの香りが印象的でした。とても華やかな気分になる香りです。そして、コンプランタシオンというのはフランス語で「調和」という意味。多くの品種をブレンドするからこそ、調和を大切にしたのでしょう。フレッシュでフルーティーでありながらも、酸味・渋味は中程度。複雑味があり、甘味やミネラルも感じられ、余韻が長く続きます。抜栓してすぐに小瓶に詰め替えたら、3日間は美味しさをしっかり保てました。(品質が中程度だと2日が限界です。)そんなコンプランタシオンと一緒に楽しみたい音楽はこちら。

Ludovico Einaudiというイタリアの作曲家のNuvole Bianche(白い雲、という意味)。フランスのワインなのでフランスの音楽家から紹介しようと思っていたのですが、この曲以上にピッタリ合う物が見つけられませんでした。柔らかく、内省的で穏やかなメロディーではあるのですが、その背後に情熱的な感情が見え隠れしていて、その匙加減が絶妙です。

さて、お勧めの飲むべきタイミングですが、13種類のブドウのブレンドが素晴らしく、コンプランタシオンという名前からも満月がぴったり。とはいえ、華やかさやエネルギーが全開!という訳ではなく、その華やかさの裏には地道な努力や積み重ねを彷彿する複雑味を感じるため、満月だけど何か惑星が逆行している時期が良さそうです。(惑星が逆行しているときは、これまで積み重ねてきたことや、これからの目標を見直しするのに良い時期であるため。)

これまでの振り返りをしたいとき、
小休止してエネルギーを補いたいとき、
少し感情が乱れていてバランスを戻したいとき、
これから自分が歩むべき道を考えたいとき
上記のタイミングがオススメですが、普通に美味しいので白身魚のソテーやクリームソース系のパスタ、シチューなどに合わせたい時にも良いと思います。

私はこちらで購入しました:https://www.lesbourgeons.co.jp/SHOP/FRB631.html

素敵なビオディナミライフをお過ごしください。