ドメーヌ・ロンバール BOTAN 2022
皆さま、こんばんは。「ビオディナミな日常」の管理人、Kurinoです。
10月に入り、夕暮れの空気にほんのり金木犀の香りが混じり始めてきましたね。季節が衣替えを始めるこの時期、ワインの味わいにも深みが欲しくなります。今夜皆さまに紹介したいのは、ドメーヌ・ロンバールのBOTANという白ワイン。ルーサンヌとマルサンヌという、ちょっと珍しいブドウを使った素敵なワインです。このワインのBOTANという名前にはとある家族のエピソードが込められているのですよ。順にお話していきます。

グラスに注ぐと、白や黄色の花、シトラスやリンゴを思わせる華やかなアロマがふわりと立ち上ります。しなやかなアタックの後には瑞々しいミネラル感が続き、穏やかな酸と程よい凝縮感が口中でバランスをとるため、前菜やシーフード、鶏肉、ナッツ類との相性が良さそうです。余韻も長く、やさしい苦味と旨味が口中に残ります。また、現地や輸入元の試飲コメントでは「オイリーさ」「鉱物的なニュアンス」「柔らかな酸味」といった記述が散見され、食事と合わせて楽しむワインとしての評価が高いことがうかがえます。とはいえ、2022年に就任した作り手のジョナタン・アルメラ氏は「小難しい事は抜きにして、シンプルに美味しいと感動してもらえるワイン造りを目指している」とのこと。なので、あれこれ語るのは不粋。口に含むと、「あぁ、なんか幸せだな」と感じるワインです。
さて、このワインの名前のBOTANですが、エチケット(ラベル)から分かるように、「牡丹」のことです。実はこのワインにはAZALEE(ツツジの意)という姉妹的な存在のものがあります。こちらも近々購入してレビューしたいと思っています。牡丹もツツジも日本の生活に根付いた花。そうです、このワイナリーの創業者一人、ジャン・マリー氏は長年にわたって日本の文化に強い憧れを抱いていたそうで、いつかゆっくりと日本を訪れることを夢としていたそうです。

画像はこのブログで何度も紹介している「うきうきワインの玉手箱」さんからお借りしました。
残念ながらその夢はかないませんでした。そして、残された家族は彼女が特に好きだった牡丹とツツジの花をラベルに描き、彼女に捧げるワインを作ったのです。そういう物語のあるワインを、しかも彼女が憧れを抱いた地、日本で飲めることを何だかとっても不思議な縁のように感じられて、会ったことのない一族へしばし思いを馳せました。このワインは一人で飲んでも美味しいのですが、わたしのおすすめは家族や長い付き合いの友人と思い出話をしながら飲むこと。過去を振り返り、今を見つめ直し、未来をより良いものにする時間にピッタリな1本です。お勧めの音楽はこちら。
辻井伸行さん演奏の、ラヴェルの「亡き女王のためのパヴァーヌ」です。柔らかく透明感のある旋律と、少し物悲しいけれど温かみも感じられる雰囲気がこのワインにピッタリです。
ワインの購入はこちらがおすすめ
うきうきワインの玉手箱:ボタン 牡丹 2022 蔵出し品 ドメーヌ ロンバール元詰 / 2,424円(税込み。2025年10月時点での価格)
https://ukiukiwine.com/c/gr241/france/0105001007086
では皆さま、よいワインライフを。