ル タン デ ゾランジュ(オレンジの実る頃) 2023

皆さま、こんばんは。「ビオディナミな日常」の管理人、Kurinoです。
日中は暑い日が続いていますが、夕方は少し涼しくなってきましたね。徐々に秋の気配が近づきつつあります。
夏の終わりから風が少し冷たくなる秋の始めの頃、空の色が濃くなる夕暮れ時。そんな時間にぴったりな特別なワインと出会いました。その名は、ル タン デ ゾランジュ 2023。直訳すると、「オレンジの実る頃」。小説のタイトルのようで素敵ですよね。フランス ブルゴーニュ地方で生まれた、自然の恵みがたっぷり詰まったビオディナミワインです。 このワインを一口含むと、まるで遠い日の記憶が蘇るよう。温かくて、少し切なくて、ほろ苦い。そして何よりも優しい気持ちにさせてくれます。今日は、そんな不思議な魅力を持つこのワインを紹介させてください。

グラスに注がれた「ル タン デ ゾランジュ 2023」は、その名の通り、しっかりとした美しいオレンジ色に輝きます。夕焼けを思わせるその色合いは、見る者の心を穏やかにしてくれます。オレンジと言えばフランスでは1~2月頃に収穫されるのですが、日本だとみかんは秋の果物。そういう個人的な経験とこのワインの持つ個性からこれから始まる秋に飲むのにふさわしいと思います。

まず、グラスに鼻を近づけると、熟れたアプリコットやドライオレンジの香りがふわりと立ち昇ります。その奥には、アカシアのハチミツや、ほんのり香るシナモンのようなスパイスのニュアンスが隠れていて、とても複雑で奥行きのある香りのグラデーションを感じることができます。

そして一口含むと、驚くほど滑らかでまろやかな口当たり。舌の上で広がるのは、凝縮された果実味と、繊細でエレガントな酸味の絶妙なバランスです。余韻はどこまでも長く、ゆっくりと消えていきます。時間が経つにつれて、香りがより一層開いていくのもこのワインの魅力。一杯のグラスの中で、次々と表情を変えていくさまは、まるで物語を読んでいるようです。程よく旨味が感じられ、最後にすこしだけ苦味を感じるところがまさに「オレンジ色の夕陽を閉じ込めた、郷愁の味わい」と言えるでしょう。まだワインを飲みなれていない初心者の方にもおすすめです。

さて、作り手のジャン・ミッシェル・デュプレについても簡単に説明させてください。古くからボージョレ地区西部のレ・ザルディア村という場所で代々農家をしており、1988年に継承したジャン・ミッシェル・デュプレがぶどうの栽培を始めました。少しずつ畑を増やしていき、2014年からすべてのブドウで有機栽培を行い、2018年に「Alpes Controles」の認証を取得しました。美味しいワインは美味しいブドウから作られる、どれだけブドウに真摯に向き合えるかが大切、という価値観を貫いている生産者です。土地の個性と作り手の思いが融合したワインと言えるでしょう。

このワインは、誰かとワイワイ飲むというよりは、一人でゆっくりと過ごす時間に寄り添ってほしい一本です。一日の終わり、お気に入りのソファに座り、静かに本を読んだり、目を閉じて音楽を聴いたりする、そんな時間にぴったりです。このワインを飲む時、私の頭にはいつも同じような音楽が流れます。それは、少し寂しくて、少し懐かしくて、そしてとても優しい、まるで遠い日の子供時代を思い出すようなメロディーです。グラスを傾けるたびに、夕暮れの帰り道、窓から差し込む西日、そして誰かの笑い声が蘇ります。ぜひ、皆さまにもワインと一緒に楽しんでいただきたい音楽はこちら。

ゴンチチの「放課後の音楽室」です。あまりにも有名な作品なので、説明は不要ですね。
この音楽を聴くと頭に思い浮かぶイメージが、このワインとほぼ一致するのです・・・!!多くは語りません。ぜひ、この組み合わせを試してみてください。

ワインの購入はこちらがオススメ
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オレンジ色の夕陽を閉じ込めた、郷愁の味わいグラスを傾けるたびに、遥か彼方の夕暮れに思いを馳せ、そして明日への優しい気持ちを取り戻すことができます。ぜひ一度、この特別なワインと共に、自分だけの静かで豊かな時間を見つけてみませんか。

では皆さま、よいワインライフを。